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更にフルオプション。
エンジンフード(ボンネット)のエアスクープ(ダクト)、パワーステアリング、パワーウインドウ、ウッドパネル。
(パワーウインドウは後ろの小さな窓に至るまで)
(この時代、国産車にオートマ、パワステ、パワーウインドウなんてあったか!?)
ルーフは当時の高級志向階級が好んで着けたというバイナルトップ(レザートップ)。
更に更に『メーカー』特注の数々!
内装は外装に合わせてブルー。
(市販車の内装は黒)
後から社外の業者に頼んで張り替えたんじゃない。
新車発注時にメーカー(シボレー)に特注して作られた車なんだ。
その証拠に、特注のシートの背もたれにもシボレーのマークが入っている。
これが社外の業者が仕上げた内装なら何の希少価値も無いらしい。
更に、当時のカマロには付いていないヘッドレストまでもが特注で付いているんだ。
本来は(ベビカマに関しては)ボディの下で終わって見えないはずのマフラーが、左右2本、バンパーの外まで突き出している。
そして、これもシボレーに特注した真っ赤なフロアカーペット!
それを捲ると純正のカーペットが新品のまま姿を現した。
とにかく、何から何までが特別な1台だったんだ。
ここ何年か、ドバイなんかの中東諸国でアメ車のクラシックカーブームが起きていて、博物館のような空調付きの巨大なガレージで、自慢する為だけに何十台も展示している大富豪がいるらしい。
そういう人達が程度の良い車輌を金の力で持って行ってしまうのだと言う。
「そういう飾るだけの人達には、いくらお金を積まれても売りたくないですね。
車は走る為に生まれて来ていますから。」
(社長は心の底から車を愛している……)
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