Feeling Love Again

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シゲが珍しく真面目な顔で言った。 「ヒロさん、これは家宝ですよ。 絶対誰にも渡しちゃダメ!」 (よく言うよ! 売っ払って海外旅行行こうって言ったじゃんか!?) 俺は笑ってしまいそうになったが口には出さなかった。 確かに転売して儲けるような車ではない。 「社長、ボクが死んでも息子達が大事にしてくれるはずですから…」 「大丈夫ですよ…」 社長は穏やかに言った。 「あれは矢沢さんの車です。」 俺はさっきから気になっていた、一番怖くて一番大事な事を聞いた。 「社長…… 絶対欲しいんですけど、値段はどこまでハネ上がるんですかね? 700、800って言われたらさすがに手が出ないんですけど……」 社長は穏やかな顔で、とても信じられない事を言ったんだ。 「大丈夫ですよ。 矢沢さんの予算は聞いてるので、今預かっている400で収まるように交渉してますから。」 「えぇーー!!」 俺、松下さん、シゲは同時に声を上げた。 そしてシゲが叫んだ。 「ヒロさん! スゴいよ! アレが400万って信じられない!」 「社長、本当にありがとうございます…… ただ、相手が価値に気付いて値段を吊り上げて来たら……」 社長はまた悪戯小僧の顔で言った。 「もう物を持って来ちゃってますから。 絶対返しませんよ。」 そして悪~い笑顔で言ったんだ。 「喧嘩してでも予算内で収めますから。 安心して待っていて下さい。」 やはり、穏やかな良い人だけで商売張って来た訳じゃないんだ! 「全て社長に任せます。 宜しくお願いします。」 俺は丁寧に頭を下げた。 (俺は社長を信じて待てば良い……) (画像は片目だけライトカバーを開けた状態。 両目を開けて走る事も出来る。 (ちなみにライトONで自動で開く) .image=494302376.jpg
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