あとがき

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最後までお付き合いしてくれた皆さん、本当にありがとう。 この物語を読んだ人達の多くは、「こんな奇跡みたいな話があるはず無い」と疑うか、「何でこの人ばっかり…」と羨む? でもね、ホントにそうなのかな? 結婚した人の多くはその出逢いに『縁』や『運命』や『奇跡』を感じたはずなんだ。 ただ、その時の気持ちを忘れているだけなんじゃないかな? 今、君の隣で静かな寝息を立てている子は偶然君の所に生まれて来たのかな? それこそが『縁』であり『運命』であり『奇跡』なんじゃないか? 確かに俺はとんでもなく運の良い男だと思う。 たかだか500万程度の出費で1億円とも言われる価値ある車を手に入れようとしてるんだから。 だけど、俺が本当に嬉しいのはそこじゃない。 損得抜きで俺にカマロを向けてくれた社長との出会い。 それを「ラッキー!」じゃなくて、感謝する心を持てるようになれた事が嬉しいんだ。 高い車が手に入るからじゃなく、俺が熱望した宝物を手に入れる事を、焼きもちを焼く事なく、心の底から喜んでくれる仲間や家族に恵まれた事が幸せだと思えるようになったんだ。 俺はひとみを一生大事にしようと思っている。 それを感じるから、ひとみは無条件で俺を愛してくれるんだと思う。 俺は子供達を命懸けで守って来た。 それを知っているから、何があっても子供達は俺を否定する事がないんだろう。 俺は兄弟分の謙吾が困っていたら、躊躇なくこの車輌を社長に返して助けてやりたいと思っている。 そんな俺を理解しているから、謙吾は俺を慕ってくれるんだと思う。 求めるだけ、奪うだけじゃなく、与える事を知った時、初めて俺の人生は豊かな物になった。 隣でビールを飲みながらナイターを観ている男に感謝出来たなら、君の人生はもっと楽しい物になるかもしれない。 隣で煎餅を齧りながら携帯を弄っている女を大事に出来たなら、君の人生はもっと充実した物になるかもしれない。 幸せなんて、結構身近に転がってるんじゃないかな。        2015/6/30 HIRO .
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