HIS REASON~ある男の事情~

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 リーがこういう風に俺を見る時、瞳の中には、楽しい、悲しい、怒り、恐怖とか……こっちが読み取れるような感情は何も見えない。  その代わり、俺の何もかもを見通してしまっているかのような、妙に自信ありげな表情を浮かべている。  実際、リーの言葉は時々俺の内面を鋭く抉ってくる。  本当のところは知らないが、少なくとも俺はリーが俺の目の覗き込む時、隠したいものまで知られてしまうような気がする。  だから、怖い。 「んなの、いい訳ないだろ?」 「じゃあ、肉を食べるのに動物を殺すのはいけないこと?火を燃やすのに木を切るのは悪いこと?」 「……」 「そんなの、ただの綺麗事じゃない」
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