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――「あら、ショウちゃん、お帰りなさい。今日はやけに早かったわね」
「おいリー!いつまでこんな事をやらせる気だ!」
その事務所は、寂れたオフィス街の片隅にある。
立ち並ぶビルは、ろくに手入れもされず看板がさび付いていたり、窓ガラスやドアに雨の跡が薄汚くこびりついているものばかりだ。
その中の一つ。とあるビルの三階。
“鐘原税理士事務所”と表札の掲げられたオフィスに戻り、調べあげた資料を机の上に投げ出し啖呵を切ると、一番奥の机に座る女は、あっけらかんと答えた。
「あら、てっきり喜んでやってると思ってたわ」
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