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リコが喋る唇の動きから目が離せない。
たまに唇をはむ仕草。
その後のほんのりと赤く濡れた唇。
それが見たいから・・・
私、リコが好き。大好きだよ。
心の中で思わず言葉が漏れる。
なんて、なんとも乙女チックな気分。
否・・・ただの欲求不満か?
ノミヤ リコ
今、目の前にいるのが、その野宮 理子。
学園の高等部に入ったばかりの頃から、もう2年近くずっとこんな気持ちに苛まれてる。
お嬢様学校で名の知れてるこの学園は、幼稚部から大学部まであって殆どの子が幼稚部からエスカレーター式に上がってきた子達だった。
リコもそんなエスカレーターに乗っかってきた子の一人。
私はというと母親の憧れを実現するかたちで受験した、高等部からの入学組。
最初は学園に慣れる事に精一杯だったはずなのに、いつの間にかリコばっかり目で追うようになってた。
そして今も私はぼーっとリコの唇に見とれながら、何だか息苦しいような気分になってる。
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