第4章

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 机の上をよく見てみると、他にもいくつか大きなパッケージがあるみたいだった。  もしかして、こいつ、エロゲーマニアなのか?  しかも、台詞から判別できるのは、生徒会長ものだということだった。  嫌がる生徒会長にご主人様プレイを強要している様子は、なんとなく今の俺にとって御厨との関係を思い出させる。 『うぅ、ごしゅじんさま、もぉやめてぇ……いっちゃう、いっちゃうの』  ボイスを一切飛ばさないであますところなく聞き入っているあたり、単なる声優ファンのような気がしないでもないが。 「うっ、くぅ」  その時、別の声が聞こえてきた。  ゲームキャラの声優のものではなく、はっきりとした肉声だった。  そうなると、マウスをクリックしているプレイヤーのものであろう。  右手はマウスだが、もぞもぞとなにやら動いている左手がやたらと気になる。  俺の位置からは見えないだけで、もしかしたら……  今まであまり意識していなかったプレイヤーだったが、よく観察してみればTシャツとパンツ一丁という自室らしいラフな格好をしていた。  いくらなんでももう11月なんだから寒くないだろうか、と余計な心配をしてしまうぐらいに薄着だ。  じっと凝視していると、不意にマウスが左手に持ち替えられた。  フリーになった右手が、すごい勢いで下腹部あたりに伸び、パンツの中に突っ込む。 「あ……あぁ」  唇から切なげな吐息が漏れる。  右手が大事な場所に触れたのだろう。  さすがの俺でも十二分に理解できた。  あいつはエロいゲームで自分を慰めているのだ。  欲望を発散しようとしているのだ。 「んっ、……はぁ、かいちょう……」 『やめて、ごしゅじんさま、そこはものすごくかんじちゃうの!』 「絶対にやめないよ、もっといい声で鳴きなよ」 『いやだ、そんなことするなんて、ごしゅじんさまのばか!』 「嫌がっていても感じているよね、会長……」 『……ひどいよ、あたしがごしゅじんさまのことだいすきなの、しっているくせに……』 「……ああ、私も愛しているよ。ずっとずっと」 『ごしゅじんさま……』 「かいちょう……」  プレイヤーの台詞とゲームキャラの台詞が交互にキャッチボールされる。  ゲームの男キャラの声はオミットされているので、まるで二人で会話しているように錯覚するが当然のことながらそんなことはない。  一方的な会話にすぎない。
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