2.新生活と龍の刻印 

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「おっし。  とりあえず、良く勉強したな。    その調子でこれからも頑張れよ。  んじゃ、オレもそろそろ時間だから今日は撤収。  早城、遅くなっちまったが神威に電話してやれよ」 そう言いながら、嵩継さんは練習に使っていたカンファ室を後にした。 慌てて俺も医局に戻って時計を見つめると、 時間が21時を回っていた。 ロッカーから携帯を取り出して、アイツの電話へと発信する。 21時まわっちまったし、 アイツ、寝ちまったかな……。 そんなことを考えながら、コールを鳴らし続けると ようやく電話が繋がるのを感じた。 「あぁ、起きてたか」 「起きてる。  21時で消灯時間は過ぎてるけど、  早すぎるんだよ」 おいおいっ。 まだお前は小学生のガキだろ。 俺からしてみりゃ、20時でもいいくらいだ。 「まぁ、怒るなって」 「別に怒ってなんかない。  飛翔の電話が遅かっただけだ。  規則を破ったのは、お前の責任だ」 あぁ、今日も突っかかってきやがるな。 「そうかよ。  こっちの仕事があっからな。  明日、いつもの時間に海神まで迎えに行く」 「わかった。  遅れたら承知しないぞ」 「あぁ、気をつけるさ。  じゃあな、風邪ひかずに過ごせよ」 そう言った途端、ロッカールームに由貴が姿を見せて、 照れ隠しのようにそのまま、電話を切った。
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