第2章

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その後、結納を兼ねて両家で食事をするわけなんだけど。 その席で、義父はお酒をグビグビ。 おいおい大丈夫か?と思ったけど、その場は笑顔でスルー。 そしたら義父、暴れはしなかったけどろれつの回らない言葉でこんな事言った。 義父「うちの智はねぇ~、ほんっと~~にいい男れね~。なんれ今まれ彼女も嫁さんもできなかったか、不思議れならないんれすよ!」 それを聞いたうちの家族、全員心の中でドン引き。 でももちろん一家全員、顔には出さない。 義父「智はほんと親思いでね、ほんっろーーにいい男なんれす!」 主人が笑いながら「父さん、やめてくれ」とか言ってたけど、「ほんろうの事を言っれなにが悪い!」と義父。 私は愛想笑いを浮かべながら、心の中でゲロ吐いてた。 うちの母はうまいこと話しを合わせて、「じゃあ、さくらには勿体ないわねぇ」とか言ってたけど、それにも「そうなんれすよ!」と。 別に主人がいい人じゃないとは思わない。 でもいい男かと言われると、主人には悪いが即答できない。 だって私が初カノだって言うくらい奥手だし、特にイケメンでも気の利いた台詞が言える男でもない。 でもそんなことより、謙遜もせず「お前にはもったいない位の男なんだ」と嫁と嫁の家族に言いきる義父が、ちょっと私には理解できなかったし、今も理解できない。 結局その後義父はベロンベロンになり、義家族に支えられて帰っていった。 その日の夜、我が家では「あれはありえないよねぇ~。普通少しは謙遜するじゃん?」と姉達と話し、「あの義父には気を付けなさい」と母から忠告を受けた。
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