One Love

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「えーと、まずはご飯の食材の買い出しね」 「なにを作る予定なんですか?」 「……教えない」 「え?どうしてですか?」 「朝のことまだ許したわけじゃあないんだからね」 「ですからあれは姉さん達が「またそうやっていいわけするつもり?」 「うっ……すみません」  わーたーしのばかー!ユウトに謝りたいのか喧嘩を売りたいのかどっちなのよ!もちろん謝りたいわよ!でもでも…… 「い、行くわよ!」 「はい」  と、とりあえず落ち着く時間が必要ね。どうにかしてユウトと離れないと。 「……ゆ、ユウト」 「なんですか?」 「鈴のプリン選んできてくれない?」 「わかりました」  僕も一度体勢を立て直す時間が欲しかったのでちょうどいいです。  二人はそれぞれの考えを抱え一度別れ別々の売り場へと向かった。 「鈴は確か甘すぎるプリンは苦手でしたよね。なのでこのパッチンプリンの甘さ控えめにしましょう」  決まったのはいいんですけど、これからどうやって謝るかですよね。英理子の場合だと素直に謝っても受け止めてもらえなさそうなので行動で示さないとダメですよね。そうなりますと、やっぱり犬みたいに従順にですか。うん、仕方がないです。  作戦を練った雄仁はプリンを手に英理子の元へと向かった。  数分前。 「そういえばお姉ちゃんと桃にアイスとチョコ頼まれてたんだ。アイスは後にしてチョコ買わないと……」  謝るのに策を練っても仕方ないわよね。素直に一言ごめんなさいって言えば済むんだから。素直にっか、苦手だなそう言うの……勝ち負けの問題じゃないって言うのはわかるんだけど謝ったら負けな気がして、負けるのはプライドが許さなくて言えないな。あ、ユウトに謝らせればいいんじゃないかな。だ、ダメよ!それじゃあなんの解決にもならない。私は悪いと思ってるから謝るの謝らないといけないの!ここは勇気を持って一言ごめんなさいよ!頑張れ私!  かごにいつも買っているチョコを放り込み元いた売り場に戻った。
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