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「こ、これでいいんでしょ?」
「……え?僕はハグをしあって告白成立って聞きましたよ」
って言うのはウソですけど。
「は、はぁぁ!?ちょっと待って!」
英理子は急いで凜華からのメールを上から下まで確認した。
「あ、メールには必要最低限のことしか書いてないので載ってませんよ」
「え?ちょっと、聞いてないわよ!」
「だって初めて言いましたからね」
「え?え?でも、だって……す、するの?」
「しないと告白成立しませんから」
「でも、誰も見てないし」
「他人が見てなければルールを破ってもいいいんですか?英理子はそういう子だったんですか?あぁ、ガッカリだー」
「う、うーうぅぅぅ」
「唸ったところでなにも解決しませんし。まぁ、あと一時間半ありますから悩んでください」
「あんたはしたいの?」
「そりゃあもちろん。英理子のこと大好きですから」
「っっ!」
「ストーップ!右手!振り上げないでください!」
「はぁ、はぁ、はぁ……ふ、ふん。あんたがしたけりゃば勝手にすれば?」
「今噛みましたよね?」
「うるさい!」
「っったぁ、相変わらず強力ですね」
殴られた頭を押さえながら英理子の前に立った。
「心の準備はいいですか?」
「そ、そういうのいいから早くしなさいよ」
「は、はい」
両手に力を込め、手の震えを押さえ英理子の肩に手を置いた。
「い、いきますね」
「う、うん」
「ほ、本当に行きますよ」
「は、恥ずかしいんだから急いでよ!」
英理子の首の後ろと背中に手を回そうと一歩近づき手を伸ばした瞬間……
「あ、あわわわわ……ち、近っ!や、やっぱムリ!!」
英理子は雄仁の頬を力一杯殴り飛ばした。
「ったぁぁぁぁ!」
「ムリ!こんな恥ずかしいことするくらいなら死んだ方がマシよ!ぜーったいムリ!」
廊下まで殴り飛ばされた雄仁は壁に頭を打ち気絶してしまった。
「あ、ごめんユウト!え?もしかして気絶したの!?告白は?し、失敗とかじゃないよね!ねぇ!」
気絶した雄仁を揺すりながら家中に響く声で叫び続けた。
その後、帰ってきた零が話を聞き凜華に確認を取り嘘ということが判明した。嘘を吐いた雄仁は力強いアイアンクローを頂き事なきを得た。
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