One Love

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「朝っぱらから暑苦しいことしてんじゃないわよ!ユウト!あんたもあんたよ!簡単に侵入を許して、対策しなさいよ!」 「ぼ、僕もですか!?」 「当然よ!」 「対策をしても破られるんですが……」 「甘いのよ。どうせ心のどこかではベッドに潜り込まれることを喜んでんでしょ!」 「そ、そんなことはないですよ」 「ふん、どうだか。ってかお姉ちゃんと桃はどこにいくつもりなの?」 「あ、あははは……帰ろうかなって」 「避難しないと怖いし?」 「今は見逃してあげるけど後で話があるから」 「きょ、今日は魔莉ちゃんとお買い物の予定があったなー」 「わわ、私も鈴ちゃんと少し出掛けるよてーが」 「あ、そう。好きにすれば」 「それじゃあ!」 「またね、お兄ちゃん」  ドタドタと逃げるように部屋を出ていく二人に雄仁は顔を青くしていった。 「あ、あの……実は僕もこのあと予定が……」 「キャンセル」 「で、ですが……」 「ユウト!」 「はい!?」 「とりあえず殴るわね」 「いや、待ってください!僕、悪くない気が……いゃああああ!」  近所の人曰く、ゴンっという鈍い音が聞こえたかと思うとなにかが倒れる音が聞こえ、ズルズルと引きずる音も聞こえたとか。
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