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「お姉ちゃん!ありがとう!」
見違えるほど活気に満ちたタマを腕に抱き、少女は一礼すると森の奥へ駆けていった。
「いいのかそんなことをして。」
まるで、心の声を見透かされたような発言に沙鴎は振り返った。
そこには、年齢に不釣り合いなほど、背のまっすぐ伸びた老人が杖をついて立っていた。
その眼光は、鋭く光る。
「あの人の子はまた来るぞ。次はお前を捕らえに、大勢連れてくるやもしれん。」
「...」
沙鴎はきっと老人を睨むと背を向けた。
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