沙鴎の徒然日記 第一幕 出会いと髪飾り

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沙鴎は広げた手を見下ろすと、そこには美しい簪(かんざし)の光が溢れた。 桜を象った淡桃色の石しかついていない、という作りだが逆にそれがこの簪の良さを引き立てている。 「ーーこれは」 決して安価なものでは無いはず。 それに、前来た時に髪につけていた。 「駄目だ。受け取れない。」 しかし、見上げると少女はにこにこして、遥か彼方遠くで手を振っていた。 「またね!」 「あ!待て!」 これが沙鴎を変える事件になろうとは誰も思わなかっただろう。
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