沙鴎の徒然日記 第一幕 出会いと髪飾り

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なぜ妾がヌシなのだろう。 なんの成り行きでこうなったのだろうか。 それは誰にも分からない。 なぜなら妾は気付いた時には、もうここにいた。 ヌシとは、龍脈の流れる“気”を操り、それぞれ治める土地に流しては、その生命の秩序を保っている。 このような働きをしているのにも関わらず、ヌシは土地神ではない。無論、妖怪でもない。 では、何なのか? ふふ...なんであろうな。 だが、哀れな存在じゃ。 信仰心が無くなれば消えてしまう、まるで沼の底から湧き出た泡沫よ。 ...なんと実に馬鹿らしい。
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