沙鴎の徒然日記 第一幕 出会いと髪飾り

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今日は晴天。 領地に“気”を流す、という毎日の日課を終えたら、木漏れ日の踊る森の中へ散歩をする。 喉が渇いたら川の水を手で掬い、覚めるように冷たい流れを全身感じたら、緑の苔に覆われた石に座る。 美しい鳥の囀りを耳に収め、そよ風に髪を揺らす。 それが、沙鴎の毎日。 争うこともなく、平和に過ごすことが沙鴎にとっての幸せなのだ。 だから、彼女は無駄に人と関わろうとしないのも肯ける。
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