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「...!」
それから暫くの間、沙鴎はうたた寝をしてしまったようだったが、何者かの侵入を感じ、弾かれるように起きた。
普通の民なら、踏み入らぬだろう場所まで入ってきたそんざいに首を傾げる。
「これは...“気”が二つも感じられる...。一つは弱いな...。」
構わないでおこうか、という考えが頭の中を過ぎったが、その侵入者は次第に龍脈へ近付いているのが分かったため辞めた。
偶に民が迷い込むことはある。
それは、山を超える途中であったり、山菜を採りに来たり...
だが、今回は違うように思える。
その足取りは真っ直ぐ、龍脈へと向かっている。
龍脈の力を悪用しようとする者ならば、ヌシの名に掛け全力で阻止する必要がある。
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