沙鴎の徒然日記 第一幕 出会いと髪飾り

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「...!」 それから暫くの間、沙鴎はうたた寝をしてしまったようだったが、何者かの侵入を感じ、弾かれるように起きた。 普通の民なら、踏み入らぬだろう場所まで入ってきたそんざいに首を傾げる。 「これは...“気”が二つも感じられる...。一つは弱いな...。」 構わないでおこうか、という考えが頭の中を過ぎったが、その侵入者は次第に龍脈へ近付いているのが分かったため辞めた。 偶に民が迷い込むことはある。 それは、山を超える途中であったり、山菜を採りに来たり... だが、今回は違うように思える。 その足取りは真っ直ぐ、龍脈へと向かっている。 龍脈の力を悪用しようとする者ならば、ヌシの名に掛け全力で阻止する必要がある。
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