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「……恋愛脳絶滅しろ」
ため息に続けて言われ、今度は心臓が止まるかと思った。
さっきの続きだと、数秒してから気がつく。
「……それ、絶滅したら人類滅びる……」
ごまかすように、平静を装って言うと、えー、とだるそうに返された。
「腐った世の中が浄化されて、正しい人類だけが残るのよ。すぐに好きとか惚れたとか言わない人が」
「うわ、厨二発言」
「リア厨だもん」
言って、夏姫は笑う。
それからまた、広げなおした本を読み始めた。
「正直、ついてけないのよねー。あたし、男女の友情はあると思ってるから」
足をぱたぱたしながら楽しそうに言われ、逆にへこむ。
「ナツは、誰か好きになんないの?」
「二次元の嫁が居るからいい」
言うと思った。
何故か、告白する前にふられたような気分になって。
遼は解きかけの問題へ戻った。
<終わるといい>
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