第1章

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再会 prrrrrrrr... ... 時計の鳴る音で目が覚めた。 「は~」 ため息をついてしまった。 またあいつのことを思い出してしまったから。 「あいつのことなんてもう忘れているんだから」 と言いながらカレンダーに大きく丸してある日付を眺めている。 またまたため息をついてしまった。 なぜなら今日だったから。 彼がいなくなってそして私と約束した日だから。あれから10年がたった今でも、毎年こうしてこの日をカレンダーにメモしている。 そして家族に捨てられた日でもある。 正直、家族の顔がわからない。シスターから聞いた話だとまだ生後三ヶ月しかない私を箱の中で誰かが見つかったらしく施設のところに預けられた。 私の名前は、山村姫花(やまむらひめか).シスターがつけてくれた。山村はシスターの名字。みんなからは"はな"と呼ばれている。もうすぐ二十歳になる専門学生。
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