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『3位!○○区に新しくオープンしたお店です。ここでは、行列が出来るほどの大人気商品!皆さん、何だと思いますか~?』
ぼんやりと飛び込んでくる、元気な女子アナの声。
人気のデザートの正体が何かよりも、気になるのは、背景に映された都会の街並。
私の知らない世界。
そこは、弟を奪っていった場所。
「んっ、あ……」
指じゃ、やだ。
それじゃ、足りない。
一年間、ずっとあなたがいない世界で生きてきたの。
「純ちゃん、お願い……。ちょうだい。いっぱい……しよ?」
ずるっと指が引き抜かれ、そのすぐ後に……――
「っ――!!ぅあ……っ」
思い出した。
擦れて、甘く痛む。
『そう、東原さん、せいかーいっ!3位は、ひんやり甘い、レインボーアイスクリームでーす』
汗ばんだ肌は、扇風機の風ですぐに冷えてしまう。
「ひんやり、あまい……」
行為の最中に呟いた私の言葉は、弟へ届かなかった。
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