1309人が本棚に入れています
本棚に追加
*
「痛かったなぁ……」
乱れた服を直しもせず、私は純の腕にすがり付いて、寝転んでいた。
畳の上を素肌で感じるのは、とても気持ちが良い。
「お前、マジで俺以外とヤッてないんだな。すげーキツかったんだけど」
「私は、純ちゃん以外としないの。気持ち良かったでしょ?」
「うるせー、このやせっぽちが。大体、お前会うたびに細くなってねーか?」
「夏だけだもん。私の体は、アイスで出来てるんだよ」
「キモッ」
「こらー!おねーちゃんに向かって、なんてこと言うのっ!」
純を軽く叩くと、その手を止められ、頭を引き寄せられて、キスをされた。
「ん……」
「……だからか」
「んー?」
喋りながらのキスは、吐息が唇をさわって、くすぐったい。
「お前……、愛(あい)は、唇だけは甘い」
「純ちゃんも、やわらかいのはここだけだね……」
乱れた服を元通りにする必要なんてない。
だって、どうせ、結局はまた……――
本当は、知ってるんだ。
これは、悪いこと。
最初のコメントを投稿しよう!