夏のはじまり

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* 「痛かったなぁ……」 乱れた服を直しもせず、私は純の腕にすがり付いて、寝転んでいた。 畳の上を素肌で感じるのは、とても気持ちが良い。 「お前、マジで俺以外とヤッてないんだな。すげーキツかったんだけど」 「私は、純ちゃん以外としないの。気持ち良かったでしょ?」 「うるせー、このやせっぽちが。大体、お前会うたびに細くなってねーか?」 「夏だけだもん。私の体は、アイスで出来てるんだよ」 「キモッ」 「こらー!おねーちゃんに向かって、なんてこと言うのっ!」 純を軽く叩くと、その手を止められ、頭を引き寄せられて、キスをされた。 「ん……」 「……だからか」 「んー?」 喋りながらのキスは、吐息が唇をさわって、くすぐったい。 「お前……、愛(あい)は、唇だけは甘い」 「純ちゃんも、やわらかいのはここだけだね……」 乱れた服を元通りにする必要なんてない。 だって、どうせ、結局はまた……―― 本当は、知ってるんだ。 これは、悪いこと。
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