夏のはじまり

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純のTシャツの中に両手を忍ばせ、たくし上げる。 ピクっと小さな反応を見せたのが分かった。 汗ばんでいて、少し滑る。 スベスベで、傷ひとつない綺麗な肌。 私は、人知れず安堵した。 「早速なにしてんだよ、このビッチ」 「純ちゃんに悪い虫ついてないか、確認しただけ」 綺麗な背中。 ……誰かの爪痕もない。 私の言葉の意味に気づいたのか、純の眉が微かに歪む。 「お前も、そんなん気にすんだ」 私は、背中に手を入れたことを、後悔した。 キスを中断されてしまった。 「あんまり気分は良くないかも。マーキングされちゃってるみたいで」 「動物かよ。お前、人のことばっか言うけどなぁ」 「私?私は、純ちゃんとしかしない。……マーキングしてもいい?」 暑い。 額に汗がにじむ。 だけど、離れちゃやだ。 がぶっと、肩に噛み付く。 「かたいね、このお肉まずそう……」 「お前が言うと、本当に食われそうで怖いんだよ」 「うん……、純ちゃん、ちょうだい……」 はやく。 もっと。 ぎゅってしたいの。
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