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大手を振って小柄美少女を見送り、改めて一人減った少女達に視線を向ける。一人一人の顔を観察するように視線を巡らせていると、少女達は何故か怯んだ。
「っで、結局なんの用なん?」
困ったように笑いながら言うと、少女達は後退りしていく。
「やっぱ、貴女狂ってる!」
「そうかな?あたしはただ仲良くなろうとしているだけだよ?……まぁ、君達みたいに一方的に嫌われていると仲良くなれないけどね」
困った困ったと頭を掻く。
伸ばしている髪を後ろで一つに纏めているので、こうすると比較的短い髪の毛が変な感じに飛び出るがあたしは気にしない。気にするのは何故かあたしの周りだ。
「それが狂ってるって言ってるのよ!!なんなのよ貴女!?修斗(しゅうと)君ともクラスのみんなとも仲良くして、気味が悪いのよ!!」
一人の少女の叫びが虚しく空気を震わせる。校舎裏であれどそんなに大声を出していたら誰かに聞かれるんじゃないの?と場違いな事をつい考えてしまった。
「それはつまらない嫉妬だろ?そんなのに灯理(あかり)を巻き込むなよ」
息を荒くする少女に、全く別方向から聞き慣れた声が掛けられた。
「おや?今噂の修斗君じゃないっすか~、待っててって言ったような気がするんだけど?」
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