17人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
ふっと、目が覚めた。
長時間寝ていたような気だるさを感じながら上体を起こし、周囲を見回す。
ぱっと見は応接室を連想させる内装、テーブルを挟んだ両側にソファーが置かれている。それ以外は何もない閉鎖的な空間だ。
「……そうか!分かったぞ!この密室殺人の謎――」
「ちげぇよ!!」
名探偵ごっこをしたらなんか変なのが何もない空間から飛び出てきた。
分かりやすく表現するなら、戦うヒロインアニメに出てくる縫いぐるみキャラ。見た目は可愛いのに口調が荒い。
「えーっと、現状に至るまでの記憶がないってドユコトー」
「そりゃあな。勇者召喚の生け贄にされたら記憶もこんがらがるわな」
「そうか!分かったぞ!」
「ちげぇよ」
「……携帯小説パーターンじゃないん?」
「どっちかって言うと女神の一方的な嫉妬が原因だな」
「修斗君マジ罪作り」
「いやいやいや、お前も多分負けてないと思うぞ」
「あたし篠塚灯理!○○高校に通う普通の高校生!」
「何故いきなりテンプレ挨拶を?」
「笹木(ささき)修斗とは昔からのマブダチ!特に恋愛感情は無し!」
「笹木修斗哀れだな」
「身長175㎝!体重秘密!」
「女子にしては偉く高身長だよな」
最初のコメントを投稿しよう!