第1章

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「エイトの家は、どんな感じ?」 「えっ!?」  再び驚く美少年。  そして、悲しそうな表情を浮かべて俯く。  もしかして、聞いちゃいけない事だったんだろうか。 「ごめんなさい」 「え?」  エイトが、顔を上げて驚愕した。  今度は、私が謝罪した事についての驚きだ。 「なんで、君が謝るの?」 「だって……エイト君、なんだか辛そうだから。私、余計なこと言ってしまったんだって思って」 「あぁ……そうじゃないんだよ」  エイトは、苦笑した。 「僕の名前を聞いても、普通に接してくれる女の子なんて、今までいなかったからさ。家の事を言えば、エルもきっと僕をただの友人とは見てくれなくなると思って。それで、ためらったんだ」 「エイト君の家の事?」 「うん。僕の苗字は、覚えてる?」 「えと、アスタルテ……だっけ?」 「そう。それで、この国の名前は?」  突如聞かれて、私は戸惑う。  思考が一瞬止まりかけるも、必死でエイトの問いに答える為考える。  この国の名前は…… 「アスタルテ……って、まさか」 「そう。僕は、アスタルテ王国の第一王子、エイト・アスタルテ」 「えぇぇぇっ!?」  驚いたってもんじゃない。  王子様に会いたい、なんて夢を見ていたら、まさか本当に会えてしまうなんて。  これは、奇跡としか言いようが無い。 「実は、僕……最近公務続きで疲れていて。城から抜け出して、静かな森で本を読んでいたんだ。そうしたら、可愛い女の子が何か言っているのが聞こえて……」  そこまで言って、エイトは何故か顔が赤くなった。  どうしたんだろうか。  女の子の言葉が聞こえて……?  "あー会ってみたいなぁー。王子様に"  ふいに、自分のセリフが蘇った。  そうだ、あの時私、そんな事を言ってたんだった!
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