1.病院で・・

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「ヒロシ君・・  一緒に居て欲しい・・」 そう言って、水を取りに行こうとした僕を繋ぎとめた彼女。 彼女を不安にさせないために、僕は彼女の手を握って、寄り添う。 「うん・・ここに居るよ。」 「嬉しい・・・」 手を繋いで、見つめ合う。  ピッ!ピッ!ピッ!ピ・・・ 心電計の音が先程よりも大きな音になっている。彼女の心臓の鼓動と連動しているのだろうか・・ 「何か・・恥ずかしいな・・」 赤い顔をして彼女が洩らす(もらす)。 「興奮・・してるの?」 僕が聞く。 「うん・・  ちょっと・・  ドキドキしてる・・  ヒロシ君と居ると・・」 目を反らした彼女が恥ずかしそうに答える。 「それは・・  オレもだよ。」 自分でも、自分の心臓がドキドキしているのが分かった。 「この部屋・・  二人しか居ないんだね・・」 彼女が気づく。寝るまでは先生と彼女の「お母様」が一緒に居たのだけれど、いつの間にか居なくなっている。 僕と彼女を二人にするために気遣って部屋から出たのだろうか?? 「うん・・」  ピ!!ピ!!ピ!!ピ!! 先程よりも心電計の音が大きくなっている。 更に興奮している感じがするんだけど、更に何を考えてるのだろうか?? 「あ・・  あのさぁ・・  この部屋、お母様の結界が張ってあるの・・」 彼女が呟く・・ 病室の四隅に盛り塩がしてある。彼女のお母様の結界は強力だという事だ。通常の霊どころか、童子の侵入までも妨害してしまうという。・・となると、僕の母も入っては来れないのか・・(パパも) 急に意識してしまう。 この病室には、中学二年生の男女・・僕と彼女しか居ない空間なのだ。 いつもは、良い時になると邪魔が入る。特に霊感ケータイからのメッセージで何度も二人の恋路を邪魔された。
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