1.病院で・・

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彼女の握っているのと反対の手が伸びてきて、僕の頬に触れた。 「ヒロシ君だ・・」 愛おしい目で見つめられ、その瞳に吸い寄せられそうになる。 いや、そのまま吸い寄せられるように僕の手が彼女の背中に伸びる。 彼女がそっと目を閉じた。 口づけをする僕と彼女。    ピッ!!ピッ!!ピツ!!ピッ!! 心電計の音が勢いよくなっている。彼女の息も少し荒くなってきているような気がした。僕も同じ状況に気づく。 目を開けて、僕の目をじっと見つめた彼女。 「抱いて・・」 「ミナ・・」 目詰め合う僕と彼女。 彼女の背中に伸ばした手に、ぎゅっと力を入れて、彼女を引き寄せる。 フワッとして柔らかい彼女の体・・ 「あ!・・・・」 彼女が短く叫んだ。  ピッ!!!ピッ!!!ピツ!!!ピッ!!! 鼓動が更に激しくなる。 僕の背中に伸びている彼女の手が僕の背中を摩る(さする)。 二人がお互いの体を確認し合う。 「あ・・  気持ちいい・・  気持ちいいよ!」 彼女が歓喜の声をあげる。  ピッ!!!!ピッ!!!!ピツ!!!!ピッ!!!! 機械音が部屋に鳴り響く。 その時・・  ガラ!!!! 「こら~~!!!!何をしてるか!!!!」 病室の扉が勢いよく開いて、先生が入って来た。 呆気にとられる僕と彼女。時間が止まる。  ピ!!ピ!!ピ!!ピ!! 機械音が虚しく部屋に響き渡る・・・・・・
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