出立 (下巻、最終章)

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「じゃ、行くよ~」 「……………」 ラスベルは、もう危険は何一つないという感じで、緊張感の欠片もなく鍵を差し込んだ。 カチッ 「おっ、入った」 普通なら、もう少し躊躇して然るべきなのだろうが……… (フン、ヤツにとっては、例えここで何かが起き、メンバーが事故に巻き込まれても関係ないからな?) そう。 上記は、ナティルやシェラの想いであるが、ラスベルとしては、自分と気に入った者だけ守れば良いわけで、後はどうなろうと知った事か!って感じ。 それが解らないアルヴィナではないので、問題は起きないという結論になる。 「で、この後は?」 「………カーム(開門)と、その幻魂玉に触れながら…………それでアナザーへの扉が現れますじゃ」 カーム。 つまりは、最後の合言葉みたいなモノか。 アルヴィナは、そう言いながら、連結されたブロックの方を指差した。 「成る程、気が付けば、魔岩が門の様な形を成してるネ」 「開門すれば其処にゲートが発生しますじゃ、他のゲートと違い、この部屋に入っている時点で、見る&触れる等の資格も有しております」 要は、全員利用可能……だという事だろう。 「わかった、では」 「……………」 いよいよ、裏世界への門が開かれる。 最後の最後で、一悶着あったものの、とりあえずは全員無事に。 果たして、アナザー・アルカディアとは、どんな世界なのだろうか?
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