出立 (下巻、最終章)

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「………ちょっと変だね、ソレ」 「何が………ですかな?」 ……………… しかし、またしてもこの男。 本当に知恵がまわるのか、あからさまに怪しみ、首を傾げていた。 ……………… 「いや、普通に考えてサ、両世界側に管理人が居る気がしてネ?」 「………………」 「待機ゲートも二つあるし、だったら鍵も、二つあって然るべきでは?」 (おのれ、そこまでバカではないか) ……………… 悔しいが、その通りである。 この鍵は、元々両世界側の待機ゲート室に保管されていたモノ。 だが、裏側が表との離別を決めた時に、二つ共、アナザーへと運んでしまったのだ。 ……………… 「さぁ?私には解りかねますな」 「……………本当にぃ?」 「……………ハイ」 それでもアルヴィナは、すまし顔をしたまま、シラを切り通した。 とりあえず、この場で拷問までして吐かせるコトはないだろうと踏んで。 (フン、やれるモノならやってみよ、そこまでするのなら、この場の参加者達が黙っていないハズじゃ) 「………………」 確かに。 余りの速さ&展開の流れで、周りの人達は、黙って成り行きを見守ってはいたものの……… (チッ、ここで全面戦争は無いか) チラリと辺りを見回すと、全員に睨まれている気がした。 因って、ラスベルとしても、これ以上の傍若無人は控えた方が良さそうだと思ったらしい。
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