908人が本棚に入れています
本棚に追加
「………ちょっと変だね、ソレ」
「何が………ですかな?」
………………
しかし、またしてもこの男。
本当に知恵がまわるのか、あからさまに怪しみ、首を傾げていた。
………………
「いや、普通に考えてサ、両世界側に管理人が居る気がしてネ?」
「………………」
「待機ゲートも二つあるし、だったら鍵も、二つあって然るべきでは?」
(おのれ、そこまでバカではないか)
………………
悔しいが、その通りである。
この鍵は、元々両世界側の待機ゲート室に保管されていたモノ。
だが、裏側が表との離別を決めた時に、二つ共、アナザーへと運んでしまったのだ。
………………
「さぁ?私には解りかねますな」
「……………本当にぃ?」
「……………ハイ」
それでもアルヴィナは、すまし顔をしたまま、シラを切り通した。
とりあえず、この場で拷問までして吐かせるコトはないだろうと踏んで。
(フン、やれるモノならやってみよ、そこまでするのなら、この場の参加者達が黙っていないハズじゃ)
「………………」
確かに。
余りの速さ&展開の流れで、周りの人達は、黙って成り行きを見守ってはいたものの………
(チッ、ここで全面戦争は無いか)
チラリと辺りを見回すと、全員に睨まれている気がした。
因って、ラスベルとしても、これ以上の傍若無人は控えた方が良さそうだと思ったらしい。
最初のコメントを投稿しよう!