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それに、彼としてはもう、大きな目的を果たしていたに等しい。
何故なら………
「ま、良いや、これは僕が預からしてもらうネ?」
「………………」
そう、鍵さえ自分が持てば、懸念材料は一つとして無いからであった。
「アルヴィナ、キミはかなり用心深い性格だ、因って、普通の状態で鍵を持ったりはしないと思ってたヨ」
あ、普通の状態ってのは、とどのつまりモノとして所有してないって事ね?
「空間を操れるくらいだ、恐らく、滅多な事では鍵を見える形で取り出したりはしない、普段はきっと、何処かのゲートみたいな所にしまっておき、どうしてもって時だけ…………ダロ?」
「…………ハイ、その通りですじゃ」
得意気に話されて、もうどうでも良さそうなアルヴィナ。
「呪文に紛れて、キミはコレを仕舞っていた空間から取り出した、注意して見てなければ、恐らく絶対に気がつくまい」
ま、僕は狙ってたからね?
天才でしょ?アハハッ
「………………」
あ、またダンマリ?
フフッ、嫌われちゃったかなぁ?
「そして、ここからが大切、例え僕が鍵を手にしようと、キミ達管理人が事前準備しない限り、これだけでゲートは開けない、でも…………」
コレ(鍵)が無ければ、キミ達も勝手に僕を置いて戻って来れないよねぇ?
「………………」
「アハハッ、残念だけど、この鍵は二度と返さないヨ、これで僕を出し抜くコトは不可能なんで、そこんとこ宜しくネ♪」
……………
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