出立 (下巻、最終章)

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それに、彼としてはもう、大きな目的を果たしていたに等しい。 何故なら……… 「ま、良いや、これは僕が預からしてもらうネ?」 「………………」 そう、鍵さえ自分が持てば、懸念材料は一つとして無いからであった。 「アルヴィナ、キミはかなり用心深い性格だ、因って、普通の状態で鍵を持ったりはしないと思ってたヨ」 あ、普通の状態ってのは、とどのつまりモノとして所有してないって事ね? 「空間を操れるくらいだ、恐らく、滅多な事では鍵を見える形で取り出したりはしない、普段はきっと、何処かのゲートみたいな所にしまっておき、どうしてもって時だけ…………ダロ?」 「…………ハイ、その通りですじゃ」 得意気に話されて、もうどうでも良さそうなアルヴィナ。 「呪文に紛れて、キミはコレを仕舞っていた空間から取り出した、注意して見てなければ、恐らく絶対に気がつくまい」 ま、僕は狙ってたからね? 天才でしょ?アハハッ 「………………」 あ、またダンマリ? フフッ、嫌われちゃったかなぁ? 「そして、ここからが大切、例え僕が鍵を手にしようと、キミ達管理人が事前準備しない限り、これだけでゲートは開けない、でも…………」 コレ(鍵)が無ければ、キミ達も勝手に僕を置いて戻って来れないよねぇ? 「………………」 「アハハッ、残念だけど、この鍵は二度と返さないヨ、これで僕を出し抜くコトは不可能なんで、そこんとこ宜しくネ♪」 ……………
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