通知オフ

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「…………」 時刻は午前0時42分。私はスマホを見つめる。 『知恵熱なら出そうwおやすみなさい、良い夢を』 視線の先には、私が最後に送った言葉。その下にあるのは、文章を打ち込むスペースと送信ボタンだけ。そう、それだけ。 (結局、か) 私は苦笑いをこぼす。あの言葉に続く私の想いは、やはりいつも通り送られないまま朽ちていく。それでも構わない、と私はスマホの電源を切って机に置いた。 だって。 (叶わない、恋だもん) 私は立ち上がって、伸びをする。長い時間同じ姿勢を保っていたせいか、腰が異常に痛い。ゆっくりと屈伸運動をして、身体の血行を良くする。 その間も、あの人との会話が頭の中でずっと繰り返されるわけで。 (あ"ー) 私はそっとスマホを操作して通知欄を開く。今は急ぎの用がきても良いように、オンの状態だ。だけど、このままだと勉強に集中出来ない。 私は意を決したように、オフのボタンを押そうとしたが。 「…………」 (良いや、めんどくさい) 私はスマホをぽいっと、ベッドに放り投げる。スマホはぽすっと、間抜けな音を出して毛布の上に着地する。それを見て、私は椅子に座って勉強を始める。 白いノートは、ゆっくりとだが確実に黒く染まっていく。私はそれを見て、静かに笑った。 ○ ● ◎ ● ○ 貴方からいつメッセージが送られてきても良いように、通知をオフにしない。 ……なんて、知ったらどう思うのかな。
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