残業と彼

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清水の舞台から飛び降りる。 そんな思いで頼み事をした。 が、しかし… 「今は無理。やれるとこまでは自分でやれ」 ばっさりと、情けも容赦もなくばっさりと斬られた。 「…ソウデスヨネ~」 すごすごと自分の席に退散するしかできない。 肩を落として、席に戻ってきた私に近くの席の同僚が声をかけてくる。 「ダメ、だったの?」 「…はい」 世にも情けない顔で頷くと、彼女に訳がわからないと言った顔をされる。 「あなた達、付き合ってるのよね?」 「…一応」 「それなのに彼女の頼みを断るんだ…」 それを言われるとかなり痛い。
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