プロローグ

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さすがに目を丸くするセルシュとヴェド。 「あ……あなたの…  オンナ…?」 裏返り声になりながらふるふると指差しするヴェド。 「ヴェド、そんな半ば迫害めいたことをしちゃいけない。  誰にだって過ちはある」 なっていなフォローに、アーチャーが余計に逆上する。 「おおおおお前らかってなこといいいやがってぇぇぇ…!!!!!」 だって、と口ごもるすでにノーガードなヴェドの腕を引っ張って、いつの間に服を着たのかセルシュが開け放った小窓に飛び乗る。 時間差で駆けつけたトムネルとレッチャ、サーチャーも乱入して、その部屋はもうVIPもラブホも何もなくなっていた。 「あ、アンタら大丈夫か…?!」 荒くれどもに乱入されては店もだが客も危ない。一心でトムネルは叫んでいた。 「「オヤビン!!」」 「ばぁっかやろぅ、ボスと呼べボスとおォォ…!!」 「馬鹿っぽい連中に付き合うのはうんざり何でな。  この辺で抜けさせてもらうぞ。」 ヴェドに少量の荷物を手渡して、セルシュは懐にあった代物を店主に投げる。 受け取ったトムネルは恐る恐るみてみれば、金装飾のエメラルド。 …もちろん、本物だ。 「宿屋!  この部屋はなかなかよかったぞ」 言い残して、二人は小窓の外へ飛び退る。 「な――!!  お、おいここは二階だぞ――…!!?」
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