なんてベタな

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「……………………はぁ、」 次の日の朝。俺は何も無かったかのように学校に来ていた。 あの後、お互い何も教え合うことなく別れた。ホテルの代金「俺が誘ったから」と、彼が払った。正直、助かった。俺、そんなにお金持ってなかったし。 「…………………まあ、ラッキーだったのかな。」 初めてを、好みのタイプのやつとやれたってだけでも。しかも俺が下だったし。なんか、そんな流れだったし。 自分がゲイだって自覚しても、黙ってれば分からないことだしな……。友達を恋愛感情で見ることもないし。 そうだな。良かったこととしよう。気持ちよかったし。そこが一番大きいけどな。はは。 「はい、席に座ってー。出席とりまーす。」 時間になり、担任がクラスに入ってきた。その声に、雑談していたクラスメイト達がワラワラと自分の席へ着く。 「あ、出席とる前に、今日からこのクラスを担当する教育実習性を紹介するわね。」 担任の言葉に、特に女子が騒ぎだす。どうやら、男らしい。 「はい、入ってきて~。」 呼び掛けられて教室に入ってきたやつをぼんやりした目でみる。 「おはようございます。今日からこのクラスでお世話になります………」 …………………………へ? ちょっと、余所行き。だけど聞き覚えのあるその声に、ぼんやりしていた脳内がクリアになる。 いや、そんな。ベタな。 でも、ほら。今話してたやつも、俺と同じ顔してる。 今どき、あんのかよ。こんな展開。 まじでベッタベタだ。 勘弁してくれよ。まじで。 おわり☆
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