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俺が子どもんころ 短いちっさい手足にすっからかんの財布で
ちょっと背伸びした冒険をしよう思たら
小旅行の始まりは決まって あの古臭い小っさい駅舎やった
これまたいつの時代のもんやねんちゅうような
深緑のちっさいぼてっとした電車がそこには一両待ってて
誘ってくんねん 遠く行けへんか いうて
海みいひんか 川わたらへんか いうて
違う世界を拝みたかったらワシに乗れ 遠慮はいらん
そない言うて
100円握って飛び込むんや そしたらそいつはあいさつ代わりに
ぷーっとステップブザーを一息
チンチンと鐘を鳴らして走り出す
俺をおもろいところへつれていく
がたがたごとごと ほんまようゆれる
いちいち信号で止まるしスピードも出ん
普通の電車の二倍も三倍も時間かかる
しゃーけどそれあええんやて
時間かかるからこそ冒険なんやて
何でもそうやと思うんやけど
簡単についたらおもろないやん
街中縫って ちょくちょく休んで
苦労しながら車の波をかき分ける
そんだけの過程の先のもんやからこそ
冒険やし見る価値もあるっちゅうもんや せやろ？
100円握って飛び込むんや そしたらそいつはあいさつ代わりに
ぷーっとステップブザーを一息
チンチンと鐘を鳴らして走り出す
俺をおもろいところへつれていく
まあ、待ってるもんいうたら結局
海やのうて水路やねんけどな
見ておもろいもんがあるわけやないねんけど
公園もあるし まあゆっくりして行ってくれや
んで飽きたらまたワシに乗りや
帰りのことは心配すな
寝てる間にまた 通天閣の下まで送り届けたるさかいに
乗ってくれておおきに
楽しんでくれておおきに
また待ってるさかい
いつでも乗りに来てくれや
100円握って飛び込むんや そしたらそいつはあいさつ代わりに
ぷーっとステップブザーを一息
チンチンと鐘を鳴らして走り出す
俺をおもろいところへつれていく
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