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「でさー、その時ほかの人も『かがみ様』について知らべてきてたわけじゃん?だから先生慌ててさあ。もちろん他のみんなもよく調べてきてるよなんて無理にフォローしちゃって……」
ノッてきたようでペラペラと話を続けるハルキを遮って話を進める。
「ちょ、ちょっとストップ」
ハルキはキョトンとした表情で見つめてくる。
「つまりハルキが言いたいのは、キモトって人がどうやって『かがみ様』について調べているのかを調べようってことだろ?」
マコトはずばり話の核心をついたつもりであったが、ハルキは変わらず不思議そうな顔を浮かべたままであった。言い方が少しわかりづらかったであろうか。
「なんで?」
ハルキは表情を変えず、半開きになっていた口からぽつんと一言吐き出した。心底不思議そうである。これほど表情と台詞が一致している人は滅多にいまい。
ハルキの体全体からなんで?のオーラが出ていた。
「なんでって……」
むしろこっちが聞きたい。なんで、なんでなんだ。
「いや、だってそういうことじゃないの?今までなんのアテもなかったけど、キモトに付いていけば手がかりが見つかるかもってことじゃ……」
「だからなんで?」
なんで?マコトの頭はこれまでにないほど混乱していた。なんでってなんだ。なぜこんなに混線しているのだ。いったいどこでこんがらがっている。
しかしマコトと違ってハルキは状況を理解したのか少し嬉しげな表情に変わっていた。ハルキはこのぐちゃぐちゃになった会話を解すことができたらしい。
謎の敗北感をマコトは味わっていた。
「ふふん。そんなメンドーなことしなくてもさ、見せてもらえばいいじゃん」
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