線対称/七割/チョコレート

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黒板に描かれた図形を示して数学教師は語る。 しかし、私の気がかりは黒板ではなくて、 グラウンドにあった。 今日も、こうして私は遠くから彼を眺めていた。 グラウンドのトラックを走る短い黒い髪。 皆似たようなものだというのに、一目でそれとわかるようになってしまった。そんな自分を気味が悪いと感じるものの、そうなってしまったのだからどうしようもない。 私が彼と出会うのはこれで二度目になる。 小学校が一緒で中学校は別々のところに入ったのだ。
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