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そして、高校に着いた。
「あー、学校ダルいんだけど~」
俺は、いつもの口癖が出ていた。
「ほらほら、シャキとしなさい!」
麗華は、渇を入れるように俺の背中を思い切り叩いた。
「痛ぇな、ちゃんと授業は受けるって!」
やはり、いつもながら威力が半端じゃない…。
「分かればよろしい~♪」
この麗華とのやり取りは昔から変わらない。
「じゃあ、また後でな」
そう言って俺と麗華はそれぞれの下駄箱へ向かった。
クラスは一緒ではないが、選択の授業で一緒になるからそこまで寂しくも心配もしてない。
まぁ、俺がそこまで他人に干渉しないってのが理由なんだがな。
「仕方ない、とりあえず授業に出るか…」
まぁ、授業も出たとしても先生が黒板に書いてあるものをノートに書いて飽きたら寝るってのが俺のいつも通りの授業態度だな。
基本的には学校が嫌いな俺はさっさと帰りたくて仕方ないのである。
そして、安定の居眠り…。
決まって見るのは、あの女の夢。
誰なのかも、何であんな状況かも分からない。
でも、いつもと違う内容の夢だった。
「あなたは、鬼子なの」
「その封印された力を解放してあげる」
あの銀髪の紅い眼の女はそう確かに言った。
「おい、アンタは何者で俺は何なんだよ?」
夢だからって、そんなチカラだの鬼の子だの訳が分からないことを言われて黙ってられるか!
「ワタシは、、、、。」
教えてもらおうじゃねぇか、何もかも。
キ~ン♪コ~ン♪カ~ン♪コ~ン♪
午前中の授業が終わったらしい。
「結局あの女が何なのか分からないままで終わっちまったな」
知らない方が良いのかも知れないと分かってる自分が居るのも本能的に分かっていた。
子供の頃から嫌な勘だけは外れなかった。
だから、正直なとこ今回に限っては外れて欲しかったんだけどな…。
(それが嫌な形で的中するなんてこの時の俺は知るハズもなかったんだよな…。)
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