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「にっ・・・西くん?離・・・し
て」
「・・・・嫌」
「月山が笑えば離す。笑った顔見
せて」
月山はきっとまた言うだろーな
「今日の西くん変だよって・・」
自分でも何やってんの?って聞い
てやりたい。
けど、止まらない。
そのまま月山の顔を引き寄せ、額
と額を合わせる。
「コツン・・・」
「なぁ、月山。好きになってもい
い・・・かな。」
情けない俺は声に出す勇気も無
く、心の中でつぶやいた。
「西・・く・・もー離・・して」
嫌だ。だって離したら逃げちゃう
だろ。
「本当に嫌なら突き飛ばし
て・・」
そのまま月山の背中に手を回し抱
き寄せた。
またあの甘い香りが俺を酔わす。
抱きしめたらわかるきしゃな体
俺の体にすっぽり収まった
柔らかくて気持ちいい。
ちょうど心臓辺りに月山の顔があ
る。・・・聞こえるよな?
君が近くに居るとこんな音を奏で
るんだ。
このまま時が止まればいいと思った。
もっと一緒にいたいな・・・。
「なぁ、今日一緒に帰っても
い・・・いか・・・な」
急に恥ずかしさが押し寄せる。
・・・月山が静かにうなずく。
「けど、西くん・・・部活は?」
オーマイガー。部活の事すっかり
忘れてた、
「・・・そーだった部活行かなき
ゃ部長に怒られる。ちぇっ・・」
「ふふ・・・私ちょうど読みたい
本あるから図書室に居るね」
それって待っててくれるってこ
と?
バッと体を引き離し俺は月山の目
を見る。
「じゃあさ、部活終わったら図書
室迎え行くから、すぐ行くか
ら!」
「・・・・・うん」
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