1話

2/4
前へ
/69ページ
次へ
窓越しに見る君はいつも笑ってる 勇気の無い俺は窓越しじゃないと 見つめられない。 本当は君をそばで見ていたいのに、、、 君を好きになってもいいですか? ーー6月初旬、心地いい風が彼女の 長い髪を揺らす。 月山美咲。星林高校1年生。隣の席 のあの子はいつも元気で誰とでも 仲良く優しい人。 「美咲ー。次科学移動だよー」 いつも一緒にいる戸田麗子。 切れ長の瞳にショートヘアーが似 合ってる。大人びた容姿から男子 には人気がある。 「だって!!西くんも急いだ方が いいよ!」 優しく話しかけてくれる月山はニ コッと僕に微笑んだ。 なぁ、月山。笑いかけたりすんの 俺だけにしてくれよ。 君の笑顔をみるたび俺だけのもの であったらと願ってしまう。 中学3年の頃いつも帰り道すれ違う 女の子。 初めて見た時目が離せなかった。 こんなキレイな子が居るなんて、 風になびくキレイな黒髪。 ーーー初めてずっと見ていたいっ て思った。 初めて触れたいって思った。 君を想うだけでこんなに胸が苦し くなる まさか高校で一緒になるなんて、 ましてや同じクラスで席が隣なん て。。 人見知りな俺は女子とまともに喋 ったことがないせいか、月山が優 しく話しかけてくれてもそっけな くしか返せなくて。 「康太ー外ばっか見ないで授業に 集中しろー」 科学の山田先生が叫ぶ。 はっと我に返り渋々前を向いた。 邪魔されたくない時間だったのに な・・・ 窓に映る君を誰にも邪魔されず見 ていられる時間。 すぐまた窓に視線を移すと・・・ うわっ、月山がこっちを見てる。 一気に身体中の血が顔面に集まる ように俺は顔が熱くなった。 ーーーなぁ、月山。 俺、、お前のこと好きなんだよ。 こんな気持ちは初めてなんだ。 どーしたら伝わるかな、 女子とまともに話せない俺だけ ど、全然カッコいいとこ見せれな い俺だけど、 月山を好きな気持ちは誰にも負け ない。 いつかこの気持ちを窓越しじゃな く直接君に伝えに行くから。 俺は窓越しにそう誓ったーーー。
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加