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「『Project of mythos』……?」
送られてきたファイルの題名を読みながら、ケントは眉をひそめる。
開くと、膨大な量の英文が現れた。
「うわっ……これは読めない……」
立場柄、ケントはプログラム用語ならばいくらでも扱えるのだが、それ以外のアルファベットの羅列となるとさっぱりだ。
特に、この計画書らしきものには専門用語が多用されており、ケントではまず解読は不可能な代物だった。
「……ネメシア、分かるか?」
「……はい。ですが、これは……」
表示されている分を一通り眺めたネメシアは、ケントとは別の意味で眉をひそめる。
「……少し、お時間を頂けますか?」
「うん。頼む」
分量はざっと見ても、かなりのものだ。斜め読みしたってすぐに終わるようには見えない。
ネメシアと場所を交換して、ケントは背後に回る。ふわりとした石鹸の香りが鼻腔をつついた。
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