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──  立ち込める硝煙の香りと、土煙。それと爆薬のツンとした匂い。  ヨーロッパ系の男の目の前には、爆発によって吹き飛ばされ、骨組みが晒された建物があった。  電話が鳴る。男は電話を取った。 「こちら、ジャックマン。調査終了した。今、そちらにデータを転送する」  端末を操作し、この爆破された家屋で得た情報を同僚に転送した。 『OK! お疲れさん、ジャックマン」 「ああ。それで、何か分かったか」 『せっかちちゃんだなぁ、もう! ……今回もやっぱり、例の反国際連合組織の仕業みたいだね。手口が丸っきり同じだよ』 「奴らは、随分とお冠みたいだな」 『ま、仕方ないかな。今のあのやり方じゃあ反発も出るさ』  電話相手の言葉に舌打ちをしたジャックマンは答える。 「平和の為だ」  そして、返答を待たずに電話を切る。  その視線の向かう先は空だ。しかし、空を見ている訳ではない。何かを想起するように視線が揺らめいている。  不意に、戦闘機が衝撃波を撒き散らしながら通過していった。  それを眺めつつ、ジャックマンは呟く。 「『ミュトス計画』……早急に完遂する必要があるな」
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