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「だ、い、じょうぶ、だ、よ」
笑わなきゃ。
頑張って口角を上げる。
大丈夫、私は今、笑ってる。
ごぼごぼという水の音。
どうして?涙が止まらないよ。
自分が泣いていることにびっくりして目が覚めた。
今のは夢だったのか。
何かとても大事なことを言おうとした気がする。
学校のプールで何往復しても1000mに届かないまま泳ぎ続けているような
そんな息苦しさ。
その先にはたしかに、
温かくて愛しい何かがあった。
涙を拭い、
目を開けるといつものカフェだった。
オレンジ色の壁に濃い茶色を基調にした椅子とテーブル。
サラリーマンが電話を片手にパソコンとにらめっこをしている。
外が見える窓際のカウンター席では学校帰りの高校生たちがスマホの画面をしきりに気にしながら、
友だちの話に相づちをうっている。
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