1.はじまり

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「あー!もう!今、手元に書類あるから見るわ」 何かの書類を探しているらしいが、 カフェのカウンターの高くなった椅子に置いたかばんは言う事を聞かず、 なかなか書類を取り出せないようだ。 華子がイライラしてかばんを探る度に、 華子の短いスカートは左右に揺れる。 「探そうか?」 私は、華子のかばんを開け、 ファイルを取り出す。 「あー、ありがと」 華子はスマホを耳と肩の間に挟み、 カウンターに置いたファイルからA4の紙を取り出した。 「だからさ、 生徒総会のプログラムに、 鈴木の名前入ってないじゃんって」 生徒会長の華子はいつも忙しい。 今日だって久しぶりに3人でお茶しようってここに来たのに、 到着するやいなや生徒会メンバーからLINEが来て、 この調子だ。
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