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「わんわん!」
少年がベンチから立ち去ろうとした時、どこからともなく犬が鳴きながら近寄ってきた。
その犬は小型で白くてふわふわした毛並で、少年のもとに着くと舌を出しながら少年を見つめる。
「どこからきたの?」
相手は犬なのに話しかけた少年。
答えの代わりなのか、「ワゥワゥ!」と少し甘えた感じの鳴き声を出した。
少年は微笑みながらその犬の頭をなで、首元に手をやると首輪をしていることに気付いた。
「君の飼い主さんは?」
また犬に語りかける。
また犬が応えようとした時
「ライーーーー」
どこからともなく細く高い声が聞こえて来た。
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