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そもそも、ガロアとは後に自身の名が付くことになるガロア理論(被覆面上の連続関数と関数論) なるものを体系立てた人物だったと記憶している。
数学の4次方程式までは一般解が見つかっているが、5次方程式以降は不明であった。
そんな時代、その解を見つけようと“群論”なる新しい体系を生み出してしまうような天才がいた。それがガロアだ。
葉雪女史風にいうなれば「写真を撮るために携帯電話を作っちゃうような人なのよ、結局は」 といった感じか。
結果として、ガロアは証明できる解が無いことを証明するに至ってしまった訳だが、その過程は今なお数学の中にエッセンスとして息づいている。
そもそも、人間が自分達で生みだした数字を用いて、それを組み合わせてこれまた自分達が生みだした様々な“パズル”を解くことに必死になるのは、少々、滑稽だとも言われかねないのではないかと思う。
しかし僕は、そんなパズルを解くことに必死になることのできる人達のことを尊敬せずにはいられない。
出来る保証もない、賞賛される保証もない、それでもなお挑み続ける人達は稀有な存在であろう。
葉雪女史の原作「死に舞ふ蛾」 を読む限り、フィールドは違えど車田教授もそんな稀有な存在であると僕は思うのだ。
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