1章

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日常生活が退屈だった。たわいないクラスメイトとの会話での繕い。将来になってもさほど役に立たない授業。家族とのコミニュケーション。習慣的な生活。すべてが憂鬱だった。高校生になってもちっとも変わりはしない 「おい釣井、今日カラオケ行かね?」 クラスメイトからの誘いである。6限目が終わったので声をかけてきたのだろう。別段仲良くない相手なのによく誘えるものだ。甚だ神経を疑う。 「あーごめん・・・今日はバイトあるんだ。また今度誘ってくれ」 とすまなさそうに謝る。本当はバイトなんてしていない。バイトというのは長期的に使える妥当な言い訳だから重宝しているだけだ。こいつらとは遊びたくない。
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