1章

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人間を好きになろうと努力をしてみたことはあるが芳しくない結果に終わった。僕はどう足掻いても人間を好きになれないのだろう。 やっぱりだ。何度もこの結論に帰結する。何度模索してもこの結論に至るなら本当に僕は人間嫌いなのだろう。ひねくれた矜持の様なものかもしれない。 「小説を読もう・・」半ば先ほどの思考を停止させ先日買った本を探す。他の本とは違うブックカバーがしてありすぐに見つけられた。ページをめくると違う本で前に見た作者の名前が見つかる。この人の格言に(この世でもっとも幸福な人は小さいことで満足できる人だ。なぜなら欲が激しい人間は財産の山を貪るからだである)というのを思い出した。なぜその言葉を連想したのかは僕が欲深の人間であるからではない。
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