日常の終わり

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 近所のおばさんが道の掃除をしているのに、あいさつをする。 「あら、おはよう。ヒロくんいつも朝早いわね。今日も勉強頑張ってね! あ、ちょっと待ってて」  おばさんはそう言うといそいそと家の中に戻り、ペットボトルにお茶を入れて持ってきた。 「ありがとうございます。いつもお世話になって」  お世辞に近いが広臣はお茶を受け取り、素直に嬉んだ。今頃こんなに近所付き合いのいい高校生もいないだろうと自画自賛。  図書館に歩みを向ける博臣ににこにこと手を振っているおばさんに軽く会釈する。  歩きながら冷たいお茶を飲む。この馬鹿にできない暑さの中飲む冷えたお茶を飲み、今日も頑張ろうと足取りが軽くなった。  開いたばかりの図書館にはまだほとんど人はおらず、広臣はいつも座る窓際の席へ座った。勉強道具を出し、参考書を開く。図書館に置いてある使えそうな本を2冊手元に置いておく。  広臣は静かな空間で黙々と集中していった。  ピロリン。と携帯電話の鳴る音が聞こえて正臣ははっと顔をあげた。  どうやら携帯電話をマナーモードにするのを忘れていたらしい。  携帯電話をポケットからだす。画面をみると勉強を始めてもう三時間以上も経過していたことがわかる。  だいぶ集中できてたなと思い、マナーモードに変えて未読メールを確認する。 『タイトル:異世界にへのアンケートにお答えいただきありがとうございました!』  思い切りむせこんだ。  気づけば周りも多くの人がすでにいたようだ。正臣は気まずそうに小さく喉を鳴らしてスマートフォンを見た。  なぜだ。受信拒否したはずだ。それにしつこい。  軽くパニックになりそうだったが、周りの目も気になるのでまたメールを削除。そしてまた受信拒否。  そうだ。受信拒否設定がしっかり出来ていなかったのだ。  そう言い聞かせて勉強に集中しようとするがまったく集中できる気がしなかった。
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