日常の終わり

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 すっきりした気持ちになったところで、またメールを受信した。 「え?」  おかしい。メールアドレスを変えた途端にメールなどありえない。  画面を見ると見慣れた『タイトル:異世界にへのアンケートにお答えいただきありがとうございました!』という文字。  今メールアドレスを知っているのは両親と妹だけだ。  さすがに仕事中にメールを遅れるほど両親は暇ではないだろう。  ということは犯人は妹か。  広臣の中で犯人が決定したところで気持ちは落ち着いてきた。  最近勉強詰めで妹の相手もまともにしていなかったからこういうイタズラで気を向けようとしていたのか。そう思うと申し訳ない気持ちになった。 「今日くらいあいつの相手してやるか。まったくかわいい妹め」                   ■  また図書館で勉強して帰るころには空は朱色に染まっていた。  帰宅すると夕食をつくるいい匂いがする。 「ただいま。あれ、俺のかわいい妹は帰っていないのか?」  キッチンをちらりと見ると母親が一人で夕食の支度をしている。いつもなら妹が夕食ができるのをまだかまだかと見ているのだが。 「おかえり。あの子なら今日から部活の合宿で明日まで帰ってこないわよ。しかも携帯電話持っていくの忘れちゃったみたいなのよ」 「そうなのか。合宿なんて聞いていなかったぞ」  ダイニングテーブルの上には可愛らしいストラップのついた妹のスマートフォンが置かれていた。  どういうことだ。妹の携帯電話がここのあるということはあのメール主は妹ではない。となれば犯人は両親のどちらかになる。 「どうしたの広臣、なんか難しい顔して。あと、お父さん今日は月末で忙しいらしくて帰るの遅くなるらしいからね」 「……なんでもない。それより母さん、最近俺に変なメール送ってたりしないよな?」 「メール? 母さん昨日から携帯電話修理出してるからメール送れないわよ。あ、電話もできないからよろしく!」 「そういうことは早く言え! 緊急なことがあったらどうするんだ」
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